「マン」と読む梵字は2種類ありますが、古文書(和州布留大明神御縁記)に書かれている文字は下の字です。
この字は、文殊菩薩、児文殊(ちごもんじゅ=子供の姿をした文殊菩薩)、雷電吼(らいでんく=鎮護国家・万民豊楽を祈る五大力菩薩の一人)を示す梵字だそうです。
文殊菩薩は知恵の仏様と知られています。右手に持っていらっしゃるのは利剣(金剛剣)と呼ばれる剣です。「文殊の利剣は諸戯(しょけ=誤った考え)を絶つ」とあり、鋭い剣にたとえられる文殊菩薩の智慧が、煩悩を断ち切ることを示しています。
石上神宮に奉納された小狐丸になぜ「マン」野路が彫られていたのか、とても不思議です。